今年は、山の天気が週末になると悪く、なかなか山に行けません。インターネットで「山の天気」を閲覧しては、行けそうな山を探していると9月15日・16日は白馬岳の天気は期待できそうです。午前12時自宅出発、中央道経由、長野自動車道の豊科ICから国道147・148・県道322号線と舗装された道路が続き、猿倉の駐車場に到着です。白馬岳は人気の山で駐車場は満杯ですが、運よく臨時駐車場に止める事が出来ました。満杯の時は八方まで戻らなくてはならないようで、本当に良かったです。
白馬岳(2932m)・杓子岳(2812m)・白馬鑓ケ岳(2903m)の白馬三山とその周辺の山岳一帯を、白馬連峰と呼ぶそうです。登山コースもいろいろあり、猿倉から大雪渓を登り、小蓮華山から白馬大池を経て栂池に下る一泊二日のコースが人気との事です。1999年8月初めにそのコースを歩いたのですが、稜線にはたくさんのコマクサが咲いてとても感動しました。
今回は、大雪渓から白馬三山を登り、白馬鑓温泉経由で猿倉に戻るコースです。猿倉荘で登山届を提出して出発です。樹林帯や林道を進み、帰りのコース鑓温泉分岐を過ぎた頃に小蓮華岳から白馬岳の稜線が見えてきたら、もうすぐ大雪渓入口の白馬尻です。
「白馬の大雪渓」は、「針の木岳の針の木雪渓」、「剱岳の剱沢雪渓」と共に日本三大雪渓と呼ばれています。
大雪渓の取り付きでアイゼンを装着し、落石に注意しながらいよいよ大雪渓を登ります。しかし9月は雪渓よりも左の秋道歩きが多く、急な斜面のつらい登りが続きます。
午後3時やっと白馬山荘に到着です。だんだん天気が悪くなってきたので、山頂は明日の楽しみにして、夕食まで山頂レストランで一休み。
9月も中旬なので、花は期待できないだろうと思っていたのですが、たくさんの花が咲いていました。秋の花の中にウルップソウも見ることが出来ました。
白馬山荘は収容人数800名という、日本最大の山岳宿舎です。山頂レストランもあり快適な山荘でした。白馬山荘の受付入口に富山県と長野県の県境があります。地図の上では線で表わされている県境が、目には見えないけれど目の前にある。どこにでもある県境でも2832mだと感激します。
2日目、4時起床。外に出てみると、満天の星空です。今日の日の出は5時30分との事なので、5時からの朝食を急いで済ませ、山荘から15分の山頂に向かいます。雲海の中からのご来光は何度見ても感激します。
山頂に大きな方位盤があります。昭和16年に富士山の強力(ボッカとも呼ばれる)小宮山正が担いで大雪渓を登ったといわれる方位盤です。4つに分割したとはいえ600kgの花崗岩を担ぎあげるとはすごい強力です。新田次郎の小説「強力伝」のモデルといわれています。
山頂からの眺めは360度の大パノラマ、朝日が周りの山々に次々に光りを浴びせていきます。
雲海の向うに妙高山・八ヶ岳・富士山・浅間山・南アルプスの山々が続き、北アルプスの槍ヶ岳・立山連峰・剣岳、その向うに白山と素晴らしい展望です。
6時13分白馬山荘出発。白馬岳山頂から猿倉までの移動距離は約16km、長い行程です。大雪渓への分岐や頂上宿舎を左に見ると、いよいよ杓子岳、鑓ヶ岳への稜線あるきです。思ったよりもこのコースへ進む人が多く心強いです。後ろには白馬岳への稜線が続いています
白馬鑓ケ岳への巻き道の分岐から、ひと登りで杓子岳山頂です。
杓子岳からの展望も素晴らしいものです。
白馬鑓ヶ岳からの剱岳や立山連峰は素晴らし眺めでした。
白馬鑓ヶ岳から20分ほど下り、唐松岳との分岐からいよいよ白馬鑓温泉に下ります。くさり場などの危険個所があり要注意です。
白馬岳から猿倉まで1700mの標高差、距離で約16kmを下るのは結構たいへんでした。標高日本一の天然湧出量を誇る白馬鑓温泉で、ゆったり一泊するといいなと思いました。しかし、白馬山荘よりも収容人数が少ない分混雑しているようです。パンフレットには平日にごゆっくりどうぞと書かれていました。一度は入ってみたい温泉です。