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このサイトは、夫婦で登った山のGPS記録で綴る登山日記です。

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2015.05.26(火)
荒船山(1422.5m)

長野県佐久市と群馬県下仁田町・南牧村の県境に横たわる荒船山。
山容が荒海を行く船の様な姿をしていることから荒船山と呼ばれているそうです。ガイドブック等に紹介されている他の山から見た荒船山は確かに、最高峰の経塚山が船首、それに続く稜線が甲板、そして艫(とも)岩が船尾に見えます。
南北約2km、東西約400mの安山岩でできた台地で、「約950年前、台地が大陥没をおこし(本宿陥没)カルデラ盆地を造った。その後700万年前の火山活動により、その陥没した台地の割れ目からガラス質安山岩溶岩(荒船溶岩ともいう)が平らな地面に流れて固まり、長い年月の浸食により今の形になった。」荒船山の山頂が平坦なのは安山岩溶岩が浸食に強かったためで、この様な地形の事を「メサ」というそうです。

関越道下仁田インター~国道254号線~林道星尾線~荒船不動尊近くの駐車場から出発。

駐車場(無料)
荒船不動尊
荒船山登山口
新緑の登山道を進む
地層
唐松林

荒船不動尊からミズナラやカラマツの新緑の中、星尾峠へまで進みます。クマやイノシシに注意の看板もあります。心なしか獣の臭いがする場所があり、足早に通り抜けます。

星尾峠
星尾峠分岐を左へ
何時の地層でしょうか?
新緑の登山道を進む
木段の先に頂上尾根
ヤマツツジ

分岐から荒船山最高点の経塚山(行塚山ともいう)を往復。弘法大師が経文を埋めたという伝説からこの名が付いたそうです。

分岐を経塚山へ
経塚山へ
経塚山山頂(1422.5m)
原生林の中を
ミヤコザサが茂る
ズミの花

経塚山から分岐まで戻り、艫岩へ向かいます。平坦な稜線が南北に約2kmほど続く溶岩台地の平頂です。
途中でクリンソウを見つけました。

クリンソウ(九輪草)
クリンソウの群落
クリンソウの群落
クリンソウ(九輪草)

<< クリンソウ >>
サクラソウ属。山地の湿り気のある所に生える多年草。赤紫色の花を2~5段輪状に多数つける。段になって輪生する花の様子を仏塔の先に建つ「九輪」に見立てた。花期5~6月

クリンソウの群落

頂上台地は歩きやす一本道で、今まで体験した事のない山頂歩きになりました。

原生林の中にある石祠
「皇朝最古修武之地」の石碑
山上は平坦な一本道
相沢登山口コースとの分岐
艫岩近くの避難小屋
艫岩はすぐそこ

荒船山の北端にある艫岩からのパノラマです。

艫岩のパノラマ(左より艫岩の絶壁、北アルプスの山々、浅間山、鼻曲山、隠浅間山)

荒船山の北端にある「艫岩」は荒船山を船に見立てたとき船尾にあたり、高さ200mの岩壁が垂直に切れ落ちています。艫岩の展望台に柵はなく、「この先断崖絶壁危険 転落死亡事故発生」の掲示があるだけです。下を覗き見る事はできませんが、展望台の横に見える絶壁を観れば想像ができます。

方位盤
右上に神津牧場
艫岩展望台
艫岩の絶壁

<< 艫岩 >>

艫(とも)というのは、船尾のこと。荒船山の北端で船尾にあたる部分。200mの断崖絶壁。

右の写真は、展望台の対面に見える神津牧場近くから見た艫岩です。

車道より艫岩

荒船山の花

ヤマツツジ(山躑躅)
サラサドウダン(更紗灯台)
クワガタソウ(鍬形草)
クルマムグラ(車葎)
ラショウモンカズラ(羅生門蔓)
コンロンソウ(崑崙草)

富岡製糸場が世界遺産に登録されたのはニュースで知っていましたが、「荒船風穴」もその一部だとは知りませんでした。道路脇に立つ看板の、世界遺産の文字に曳かれて風穴を訪れたのですが、色々と学べました。

「明治日本の産業革命遺産」として①荒船風穴、②富岡製糸場、③高山社跡(全国、海外に技術を広めた民間養蚕教育機関)、④田島弥平旧宅(蚕の優良品種の開発と普及)の4資産で「富岡製糸場と絹産業遺産群」が2014年世界遺産に登録されました。

世界遺産:荒船風穴

<<荒船風穴>>(ガイドさんの説明より)
「荒船風穴は岩塊の隙間から冷風が今でも吹き出しており、風穴内は夏でも平均2度との事です。蚕の卵を冷蔵貯蔵する天然の冷蔵庫として明治38年から営業を開始。風穴の果たした役割は大きく、蚕の卵の孵化時期を調整し、年に複数回の養蚕が出来るようになり、繭、生糸の生産量を大きく伸ばした」

世界遺産:富岡製糸場

<<富岡製糸場>>(パンフレットより)
「明治4年官営製糸場として、フランス人の指導のもと建設が始まり、明治5年から昭和62年まで官から民への移行はあったが、115年間生糸の生産を操業し続けた。操業停止後も保存管理されて、建造物は創業当初のまま残されている。日本が開発した生糸の大量生産技術が絹を世界中の人に広めた」

下仁田町営温泉「荒船の湯」にも入りました。

荒船の湯

<<荒船の湯>>
泉質は含二酸化炭素-ナトリウム-塩化物強塩冷鉱泉。源泉温度16℃の加熱泉

荒船の湯

荒船山は割と楽に登れました。帰りに神津牧場の美味しいチーズとソフトクリームを食べ、世界遺産の富岡製糸場・荒船風穴を見学、荒船の湯にも浸かり、楽しい一日になりました。

2015.05.26
  • メンバー
    夫婦

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