東丹沢の鍋割山は、塔ノ岳から伸びる鍋割山稜の西端にあります。
山頂からの展望がよく西に富士山や箱根の山々、北に檜洞丸、蛭ヶ岳、丹沢山、塔ノ岳と丹沢山塊の主な山々が連なっています。
今回は丹沢の登山口大倉から、二俣~後沢乗越~鍋割山~小丸~二俣~大倉のコースを歩きます。
大倉から指導標を確認しながら人家や畑の間を進み、「シカ等の侵入防止扉」を過ぎしばらく行くと西山林道に出ます。林道を右へと進みます。
四十八瀬川沿いの西山林道が約5キロも続きます。単調な林道歩きですが美しい緑の中、勘七ノ沢、本沢を渡り、林道終点まで進みます。
林道終点からミズヒ沢を渡ると鍋割山までは登りの連続になりますが、後沢乗越でピンクのミツバツツジが出迎えてくれ疲れを癒してくれます。桜の種類も多くあり、その中でもマメザクラ(豆桜)はフォッサ・マグナ要素の植物との事です。
少し開けた場所から富士山が望めるようになると、山頂はもうすぐです。その昔、寄集落のカヤ屋根用のカヤ場であったそうで山頂付近は「三ノ萱」と呼ばれていたようです。今ではカヤを刈る人はいないでしょうが、小屋の周りのカヤはその名残りでしょうか。
山頂に建つ鍋割山荘の名物「鍋焼きうどん」は具だくさんで量も多く美味しいうどんです。特に寒い日には最高です。
山頂の西に富士山や丹沢の山々が連なり、南側には秦野の街が見えます。
鍋割山荘の左から鍋割山稜を小丸へと進みます。
大倉尾根の金冷シノ頭から鍋割山へと続く鍋割山稜には、ブナの原生林が残っています。新緑の頃は美しいブナの原生林が見られるはずです。今は芽吹き前ですがその代わりに木々の向こうに、丹沢主稜の檜洞丸や丹沢山地最高峰の蛭ヶ岳が望めます。
稜線でニホンジカの親子に出合いました。シカの食害などの問題もあるようですが、シカも安心して住める丹沢であってほしいものです。
小丸尾根への分岐は小丸の少し先にあります。傾斜の厳しい尾根ですが、新緑が美しくミツバツツジも多く咲いてます。登山者も少ないので静かな山歩きが楽しめます。しかし、木の根が張り登山道が見つけにくい所もあるので少し注意が必要です。小丸尾根が西山林道に合流すると二俣はすぐそこです。
以前に西山林道を歩いた時、二俣まで車が入っていました。しかし今回林道入り口に車止めが付けられていました。丹沢の自然を守るために努力した先人達がいたおかげで、今の丹沢があるのだと思います。これからも美しい自然の残る丹沢で在り続けてほしいと願います。