茨城県つくば市の筑波山は、標高が877mしかなく深田久弥の日本百名山で一番低い山です。しかし関東平野に裾野を伸ばし、堂々たる姿で多くの人を引き付けています。三千年の歴史がある筑波山神社(縁結び、夫婦和合の神)の御神体でもあり、山頂の西側に男体山(イザナギノミコト)、東側には女体山(イザナミノミコト)の御本殿が祀られています。筑波山神社からケーブルカー、つつじが丘からはロープウェイで山頂近くまでいけるので軽装の観光客も多いです。今回は9歳の孫と三人でケーブルカー沿いを登り、男体山と女体山の山頂に立ち、女体山から筑波山神社に下りるコースです。
自宅を午前6時出発。東名~首都高~常磐道の土浦北インター下車、国道125・県道14・42号線で筑波山神社駐車場に12時頃到着です。紅葉シーズンの土曜日はどこも混んでいて思ったよりも時間がかかってしまいました。
筑波山神社の境内を通り、筑波山ケーブル宮脇駅の右側にある登山口からケーブルカーの軌道に沿って登ります。
御幸ヶ原にはケーブル山頂駅や回転展望台、お土産屋があり賑やかです。お土産屋で「ガマの油(江戸時代に傷薬として売られていたという軟膏)」が売られています。
有名なガマの油の口上を聞く事はできませんが、今でもガマの油は売られているのですね。
御幸ヶ原から階段や岩場を登ると約20分で男体山山頂です。山頂で展望を楽しみ御幸ヶ原に戻ります。下山の途中開けた所から、女体山山頂の神殿とその下に筑波山ロープウェイの女体山駅を望むことができました。
御幸ヶ原に着いたのが午後3時頃。ケーブルカーで上がってきた娘と4歳の孫と合流の予定ですが、多くの観光客に紛れてなかなか見つかりません。15分位探してようやく帰りのケーブルカーの長蛇の列に見つけました。女体山山頂へ行ってきたというので、私たちも急いで女体山山頂に登り筑波山神社へ戻る事にします。
一等三角点のある最高地点の女体山は、狭い岩峰で多くの人で賑わっています。展望もよく、遠くスカイツリーも見ることができます。
白雲橋コースは、色々な岩のオブジェの連続で自然の美術館の中を歩いているようです。屏風岩近くから見上げた紅葉に飾られた女体山は、山頂の威厳をしっかりとアピールしています。
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- セキレイ石
この石の上に、鶺鴒(セキレイ)が留まり、男女の道を教えたといわれています。 - ガマ石
元来、「雄龍石」といい傍に「雌龍石」もあり、この場所で永井平助が「ガマの油売り口上」を考え出したことで「ガマ石」とよばれています。 - 大仏岩
高さ15mもあり、下から見上げた形が、大仏が座っているように見えることから呼ばれています。 - 屏風岩
素簍鳴尊(すさのおうのみこと)を祀っており、そそりたつ屏風のように見えることから呼ばれています。 - 北斗岩
天にそびえたつ岩で、点天空に輝く北斗星のように、決して動かないことを意味しています。 - 裏面大黒
大きな袋を背負った大黒様の後ろ姿に見えることから呼ばれています。 - 出船入船
元来、「熊野の鳥居石」といわれ船玉神を祀り、石の姿が出船と入船が並んでいるように見えることから呼ばれています。 - 国割り石
往古諸神が集い、この石の上に線を引き、神々の行くべき地方を割りふったといわれています。 - 陰陽石
高さ10mを超える巨大な石が二つそびえ立ち、陰陽寄り添っているように見えることから呼ばれています。 - 母の胎内くぐり
筑波山禅定(修験の行)の行場の井と一つ。岩を抜けることで、生まれた姿に立ち返ることを意味しています。 - 高天原
「神様の世界」を意味し、天照大神(あまてらすおおみかみ)を祀る稲村神社があります。 - 弁慶七戻り
古来、「石門」といい、聖と俗を分ける門、頭上の岩が落ちそうで弁慶も七戻りしたといわれています。
弁慶七戻り岩をくぐると、つつじヶ丘(左へ約40分)と筑波山神社(右へ約50分)の登山道の分岐に出ます。時刻は16時を過ぎており日没が心配ですが、駐車場に近い筑波山神社へのルートを進みます。
しかし、樹林帯の中を行くのでだんだんと暗くなり、ヘッドランプや懐中電灯でそれぞれの足元を照らしながらの下山となり、白蛇神社も薄暗い中では不気味な雰囲気です。孫を励ましながら登山口の鳥居に着いた時は、ホット胸をなでおろしました。