北アルプスの穂高連峰の最高峰、奥穂高岳に3度目の挑戦です。1度目は前穂高岳まで、2度目は北穂高岳までと、なかなか奥穂高岳まで行けませんでした。例年10月10日頃の涸沢は紅葉がすばらしいと聞いていたので、それも期待しての山行です。
沢渡のほぼ満杯の駐車場に着いたのが午前4時20分、身支度を整えてタクシーの相乗りで上高地へ向かいます。「昨日はすごい人で、タクシーも順番待ちでしたよ」と運転手さんの説明でした。秋の澄んだ空気の中、美しく輝く山々を見ながら、まずは涸沢と槍ヶ岳の分岐点の横尾を目指します。
明神館から徳沢園に進むにつれ、行き交う人々が多くなってきました。徳沢園のキャンプ場は沢山のテントが張られ家族連れで賑わっています。
梓川に掛かる横尾大橋を渡り屏風岩が左に見えたあたりから、登る人と下る人で登山道は混み始め、本谷橋を過ぎた頃からは大渋滞です。
今年の涸沢は、紅葉の前に雪が降ったため、いつもより色付きが良くないとのことです、それでも穂高の山々に囲まれた涸沢カールは美しい眺めです。
今回の宿泊は涸沢ヒュッテです。小屋はもちろんですがテント場も大混雑です。
2日目 朝5時、いよいよ奥穂高岳を目指して出発します。涸沢カールの中を通って、「岩場交じりの尾根道」のザイテングラード取り付きを登って行くと、穂高岳山荘です。
穂高岳山荘付近は風が強く寒い、山荘で一休みして奥穂高岳を目指します。登り始めると、登山道が凍っています。降りてくる人に「山頂はどうでしたか」と尋ねると、「無理しないで途中で引き返して来た」とのことです。私達も行ける所までは行ってみようと、とりあえず前へ進む事にしました。登って行くと、風が少し弱まってきました。急なハシゴやクサリ場を何度かクリアして、とうとう念願の奥穂高岳山頂に着きました
頂上には穂高神社の山宮が祀られており、横の方位盤には360度に山々の名が記されています。いつもだと山座確認に夢中になる所ですが、目の前の西穂高岳へと続くジャンヌダルムや吊尾根の向うに前穂高岳、北穂高岳の稜線と繋がる槍ヶ岳と目の前に広がる素晴らしい景色だけで十分です。
奥穂高岳の山頂で360度のパノラマを眺め休憩をした後、吊尾根から紀美子平まで進みます。このコースは登山者が少なく、思った以上に長く険しい道のりです。
紀美子平で少し休憩をした後、急な岩場が続く岳沢コースを下ります。帰りは穂高岳の山々に見送られながら、岳沢登山口経由で上高地バスターミナルに5時30分に着きました。
奥穂高岳は本当に厳しい山でした。中高年の私達には、「天気」と「体力」と「気力」が必要です。若い人が軽々と登っている姿は羨ましい限りです。でも、登りたいと願えば「山の神」は必ず願いを叶えてくれると信じて、次の山にチャレンジします。