周囲132kmの円い形の屋久島は1993年12月に世界自然遺産に登録されています。その中央にそびえたつ九州の最高峰でもある宮之浦岳と、樹齢1000年以上の木しかいわれないという屋久杉に出合う旅です。
羽田空港から鹿児島空港を経由して、屋久島空港到着です。屋久島では自由に動ける様に3日間レンタカー利用、1日目は島内をぐるっと一周しました。雨の多い島は滝も多く、千尋滝(せんぴろのたき)や名瀑100選にもなっている大川の滝(おおこのたき)は豊富な水の量で見応えがありました。さらに亀の産卵地である永田いなか浜は美しい海岸でした。また、島のあちこちで野生のヤクシカやヤクシマサルを見ることができました。
2日目、いよいよ宮之浦岳を目指します。
宿泊した安房のホテルを午前4時出発。宮之浦岳に日帰りで登れる淀川登山口まで約1時間、夜明け前ですが前日の下見のおかげで迷わずに到着です。
淀川登山口からひと登りした所に、淀川小屋があります。淀川小屋は無人の小屋で、登山者に多く利用されている様です。
屋久島には水場が多く、淀川小屋の水もとてもおいしかったです。
花之江河は、南限の泥炭層湿原(泥炭層とは、ミズゴケやスゲ、アシ、落ち葉などの植物が水中で腐敗することなく蓄積されてできた土の層)だそうで、日本庭園風の景色を造り出していました。
この地点で、黒味岳の山頂付近の人影が肉眼でも確認できる天気でした。それから間もなくすると宮之浦岳方面が曇ってきました。
途中から雨になり、視界が悪くなってきました。そろそろ見えてくるだろう目的の宮之浦岳が判りません。
宮之浦岳に近づくにつれ、雨足は激しくなりました。屋久島は雨の多い所だとは判っているつもりでしたが、今までの天気からは想像できない状況です。山頂からの眺めは残念ながら望めませんでした。
宮之浦岳を後にし、栗生岳を下った辺りまで来ると雨は上がっています。もう少し待っていればよかったかと何度も振り返りますが、宮之浦岳の周りだけはガスっていました。
淀川登山口から車で安房のホテルに戻る途中で、道路脇にある「川上杉」「紀元杉」を眺めることができました。
3日目 縄文杉へ
白谷雲水峡から入り、二代杉、くぐり杉、七本杉、三代杉、翁杉、仁王杉、ウィルソン株、大王杉、夫婦杉、子宝杉と巨大な屋久杉に出合いながらも締めくくりは縄文杉です。
<< 二代杉 >>
屋久島に多くあり、江戸時代に切られた切り株の上に、新しい杉の種が落ちて成長し、二代目になっています。
<< くぐり杉 >>
白谷雲水峡にあり、四方に分かれた根が地面からせり上がっていて、根の下を人がくぐれるトンネルのようになっています。
(樹高22.0m,周囲3.1m)
<< 七本杉 >>
ツタや苔など、いろんな植物に覆われ、上の方で枝が7本に分かれている。
(樹高18.0m,周囲8.3m)
<< 仁王杉 >>
森林軌道沿いにあり、寺門の左右に立つ「仁王像」に似ている。
(樹高22.8m,周囲8.3m)
<< 大王杉 >>
縄文杉が発見されるまではこの杉が最大とされ、大王杉と名がついたそうです。
(樹高24.7m,周囲11.1m,樹齢3,000年)
<< 夫婦杉 >>
左が妻杉、右が夫杉で夫婦が仲良く手をつないでいる姿に見えます。
(妻杉:樹高25.5m,周囲5.81m,樹齢1,500年、夫杉:樹高22.9m,周囲10.9m,樹齢2,000年)
<< ウィルソン株 >>
ウィルソン博士が針葉樹の研究で日本を訪れ、研究の成果で世界に紹介した名が「ウィルソン株」です。直径4.4mもある切株で,地上4.5mの高さで伐られています。内部は10畳ほどの広さで木魂神社が祀られています。左の写真は、切り株の中から撮影したもので、外の景色が場所と角度で「ハート型」になります。
<< 子宝杉 >>
子宝杉を撫でると子宝が授かるそうです。ガイドの人が「唯一、触れる屋久杉です」と説明していました。
<< 縄文杉 >>
屋久島を代表する巨木で、日本固有の杉としては世界最大です。樹齢には諸説あるようで、大きさから割り出すと7,200年で縄文杉と呼ばれています。しかし、杉がいろいろな年代の部位でできている合体木で、3,000年に満たない杉であるとも言われています。
数年前までは、木の根本まで近づいて木に触ることもできたそうですが、根元が踏みつけられて、木が弱ってしまうので、今は、縄文杉を守るために柵が設けられ巨木の根元までは近づけません。
(左の写真は、柵から撮影したものです)
帰りは雨になり、びしょぬれの下山でした。さらに乗る予定の飛行機が欠航になり、もう1日屋久島に留まることにはなりましたが、縄文杉にも出合えてよかったです。
屋久島は素敵な島でした。この自然がずっと保護されることを願っております。